年頭の辞
コロナと共に賢く生きる
明るい未来を築いてゆこう!
理事長 中西 康神
色々の 雲の中より 初日の出 夏目漱石
明けましておめでとうございます。
皆様方のご支援で、長年の念願が適って(公社)日本吟道学院の会館が改築・改装され、
令和二年一月から新事務所での業務が稼働しました。心新たに大いに活動を開始しようとした矢先、
歴史的なコロナ禍に見舞われ諸活動が大きく制限されました。
コロナ禍について
第一次世界大戦中の1918年から始まった「スペインかぜ」は、
世界中で約6億人が感染したと言われています。
家庭内感染した与謝野晶子は、学校や工場閉鎖しない政府を批判しています。
斎藤茂吉も長崎でスペインかぜに感染して左記の歌を詠んでいます。
はやりかぜ 一年(ひととせ)おそれ過ぎ来しが
吾は臥(こや)りて 現(うつつ)ともなし
当時の状況が目にありありと浮かびます。
全国公認団体の創立記念大会等も中止せざるを得なかったことは真に残念でした。
コロナ禍が一日も早く終息して、再開出来ますことを祈念しています。
昨年行事の報告とお礼
☆奄美大島での第七十回日本吟道全国大会はじめ多くの行事が延期になりました。
☆日本吟道夏季吟道大学講座が会場での開催が困難となりましたので、
草壁焔太先生の講演、並びに各講師の講義をDVDに収録しました。
☆リモートによる開催
・オンライン理事会:10月6日(火)スクリーンでZOOMによる初のオンライン理事会を行いました。
初めての試みでしたが、事務局の支援で何らのトラブルも違和感もなく、
地方在住の役員とまるで同じ会場にいるかのような雰囲気で開催することができました。
技術の進歩に驚かされます。コロナ禍の中、オンラインでの様々な可能性に期待が高まってきています。
・『第32回中国馬鞍山李白詩歌節』:10月28日(水)にリモートで本大会に参加しました。
董暁紅様(馬鞍山市外務局長)はじめ要人の方々や、中西康神理事長が挨拶して大会が開催されました。
安徽省における大会の総監督・胡萍先生、上海書画吟道会の王邦文先生には、大変ご支援を賜りました。
厚く御礼申し上げます。
各会の出演者・スタッフ・事務局の皆様方に感謝いたします。
☆墓参:10月10日(土)、最高顧問・森豪神先生はじめ大勢の方々の参加のもと、
雨雲に煙る武相連山を見ながら創始総裁・渡辺龍神先生、祖宗範・渡辺吟神先生の墓参が執り行われました。
両先生のある日の出来事を思い出しました。
☆代表者会議:
9月22日(火)埼玉地区代表者会議、10月25日(日)東京地区代表者会議が執り行われ、
有益なご提案・意見等がありました。
他地区は、来年に順次開催の予定です。
疾風勁草を知る
《疾風(しっぷう)勁草(けいそう)を知る》(「後漢書」王覇伝から)。
その意味は、「激しい風が吹いてはじめて丈夫な草が見分けられる。
苦難にあってはじめて、その人の節操の堅さや意志の強さがわかる」ということです。
学院や各地区の公認団体が直面している状況は、まさに疾風が吹き荒れている状況であります。
ここで各人がどのように対処してゆくかで真価が問われます。
☆詩吟の仲間を増やそう
最重要事項はいかに退会者を防ぎ、「会員を増やす]かです。
一声運動で友人・家族・周囲の人に声をかけてゆきましょう。
吟詠の良さを地道に伝えて仲間を増やし、独自色のある会を目指してゆきましょう。
☆八〇・二〇時代を生き抜こう
今や80歳から20年も生きる時代が来ました。昔から「生老病死」と言われていますが
今や「生老病痴」が多くなり社会的問題になりつつあります。
範典八巻のサムエル・ウルマン原作「青春」にあるように「高齢になるとも青春」で行きたいものです。
五行説では、人生について左記のように考えています。
青春 朱夏 白秋 玄冬
学院の会員の多くは、「玄冬」の方が多いと思います。
「玄冬」は何か寒く淋しい感じがし、下り坂のイメージがありますが、
同じ坂を下るなら周囲の景色を楽しみながら詩吟を吟じ、降りてゆきたいものです。
最後に
令和3年の干支は、辛丑(かのとうし):丑年(うし・牛)です。
牛は、人々の生活の基盤となる農業を手助けする貴重な存在でした。
このことから「丑年」は《粘り強さ・堅実・誠実》を表す年と言われています。
牛にあやかり粘り強く生きてゆきたいものです。
我々は声高らかに吟じますがこの時期、我慢のしどころでコロナと仲良くしないよう
マスク着用、三密を避け、十分に気をつけてゆきましょう。
会員皆様方の更なるご健勝とご活躍並びに全国傘下の団体、日本吟道学院の益々の隆盛を祈念しております。